自己評価表

教育方針
  視覚等に障がいのある幼児児童生徒の障がいの状態及び特性等に十分配慮した教育を行うとともに、学習上又は生活上の困難を改善・克服し自立を図るために必要な知識、技能、態度及び習慣を養う。

 

 重点目標
1 授業改善や研修の充実により知識の理解の質を高め、自ら学び自らの考えを広く深め表現する学習を通して、これからの時代に求められる「確かな学力」を育む。
2 多様な体験活動を通して、自らを律しつつ他を思いやり、絆を大切にして感動を共にする「豊かな人間性」を養う。
3 学習上又は生活上の困難を克服し、たくましく生きる基盤となる「健康や体力」を維持し、増進する。
4 心豊かな社会生活につながる職業自立・社会自立を図るとともに、「キャリア教育」の一層の推進を図る。
5 関係機関との連携を深めて開かれた学校づくりを推進するとともに、「センター的機能」を充実させて特別支援教育を一層推進する。

 

Ⅰ 学習指導

1 家庭学習の充実
 具体的目標・・・個々の児童生徒の実態に応じた学習課題を工夫し、家庭での学習習慣の定着を図り、主体的に学習に取り組む態度を養う。年末の学校評価アンケート(10点満点)において生徒の評価向上を図る。A:9点以上、B:7~9点、C:5~7点、D:3~5点、E:3点以下。
 評価・・・B
 目標の達成状況・・家庭学習に充実についての生徒の評価は前年度の6.9から8.7に改善したので、評価はBとした。課題の分量等については担任を通じて各科目担当へ周知するなどの取組が見られた。生徒個々の見え方及び配付資料の媒体は年々多様化している感があるが、適切に対応している点が評価されていると考えている。
 次年度の改善方策・・・配付資料の媒体については県下唯一の盲学校として、生徒の見え方に応じた資料の作成・配付は義務であるので、今後も各教員間で情報を共有しながら進めていきたい。課題の内容・分量等についても生徒個々の実態を考慮した対応を担任等と連携を図りながら推進していく。

2 実態に沿った考査の実施
 具体的目標・・・個々の生徒の視覚や学習状況に合わせた考査の実施を目的とし、各教科で考査問題の点検・検討を行い、情報の共有化を図る。
 評価・・・C
 目標の達成状況・・・考査の実施方法についても生徒の見え方に応じて、適切な方法を教員間で検討しながら実施している。また、考査問題の内容面についても教員間で情報共有できるような取組を始め、一定の成果が得られた。
 次年度の改善方策・・・考査の実施方法については、教科・科目の特性や生徒の実態の多様化などにより、年度当初から生徒ごとに対応を協議し実施している。そのような中でも引き続き、厳正・適正な評価が行える制度設計になるよう努めたい。

 

Ⅱ 生徒指導

1 学校生活の充実
 具体的目標・・・面談やアンケートを活用し、日々の学校生活全般の生徒状況に注意を払うことで、予防的な取り組みに重点を置いて支援し、心理的安定を図る。
 評価・・・B
 目標の達成状況・・・内部相談担当者と協力しながら面談やアンケートを活用したり、関係の職員からの情報収集や生徒との対話等を行ったりすることで、一定の成果が得られた。
 次年度の改善方策・・・いじめ等について予防的取組に引き続き重点を置いて支援を行うとともに、関係職員と連携しながら学校内外の生徒の状況に関する情報の収集や個別のアプローチに一層努めたい。

2 安全指導の徹底
 具体的目標・・・学校内外で個別に必要に応じた安全指導を行うとともに、様々な状況の中で安全に移動ができる技術を身に付ける。
 評価・・・C
 目標の達成状況・・・個別の安全指導を、校内外での活動の事前学習時や実施の際に行うことができた。安全な移動に関しては、状況に応じた技術を習得する機会が十分に設けられなかった。
 次年度の改善方策・・・安全な移動に関する技術習得ができるよう、単独通学生に対して生徒課としての支援をクラス担任等関係職員と連携しながら積極的に取り組みたい。

 

Ⅲ 進路指導

1 キャリア教育の充実
 具体的目標・・・進路情報の提供(年間5回以上)や進路相談等の機会を充実させ、キャリア発達段階や進路希望に応じた系統的なキャリア教育を推進する。
 評価・・・C
 目標の達成状況・・・進路行事は例年通り実施し成果も見られた。行事等校内に向けての情報は充実していたと思うが、保護者からの評価の値が低下したのは、外部への発信が少なかったと分析している。
 次年度の改善方策・・・「理解・啓発リーフレット」の改訂、「進路の手引き」の編纂、「進路だより」の定期発行、ホームページでの進路情報の発信に取り組みたい。

2 就職・進学指導の充実
 具体的目標・・・児童生徒が希望する進路に応じて、あはき師国家試験の合格率100%、希望する就職・進学の達成率100%を目指す。A:100%、B:90~100%、C:80~90%、D:70~80%、E:70%未満。
 評価・・・A
 目標の達成状況・・生徒の適性等を考慮した進路指導ができていると考えている。今年度は、四年制大学と福祉サービス事業所、理療関係事業所への進路につながったが、進学希望の生徒には、障がいの状態から、入学試験での配慮や入学後の大学からの支援の充実度から見ても適切な選択であったと言える。福祉サービス事業所利用においても、実習を重ね生徒本人を理解していただけるよう設定を行った。また、理療科の国家試験に向けての熱心な指導は、本校教育を支えていると感じる。今後もこの形態を継続することが大切である。
 次年度の改善方策・・・生徒・保護者の進路希望の確認や相談、それに対応した最新の進路情報の収集と各種対策を進める。また、理療科の国家試験の全員合格、全幼児児童生徒の進路実現に努めていきたい。平行して、卒業生のアフターケアも充実させていきたい。

 

 Ⅳ 特別支援教育

1 教育相談の充実
 具体的目標・・・関係機関との連携を深め、地域・校内のニーズや実態に応じた支援を行い、教育相談活動(生活・学習支援、カウンセリング等)の一層の充実を図る。
 評価・・・C
 目標の達成状況・・・地域に在籍する視覚障がいのある児童生徒について、学習支援や教材の提供等を行った。
 次年度の改善方策・・・県内の弱視特別支援学級との連携を強め、本校の授業を体験する機会を積極的に設ける。本校の児童生徒については、教育相談を一層充実する。

2 専門性の一層の向上
 具体的目標・・・実践報告会など、年間10回以上計画・実施している研修に参加し、専門性の強化に努め、授業改善を図る。
 評価・・・B
 目標の達成状況・・・外部講師を招いた全校研修や、現職研修報告を含んだ実践報告会、自立活動委員会によるグループ研修を実施することができた。県内外の研修会への参加も増えた。
 次年度の改善方策・・・様々なニーズに対応した内容を設定し、専門性の維持・向上を目指した研修を実施したい。県内外の研究会・研修への積極的な参加を呼び掛けたい。

 具体的目標・・・県内外の認定講習受講の働き掛けを通して、特別支援学校(視覚障がい)教員免許取得率の一層の向上を図る。
 評価・・・C
 目標の達成状況・・・認定講習等を活用し、教員免許(特別支援教育視覚障害教育領域)の取得率を維持している。 
 次年度の改善方策・・・免許更新制は廃止になっているが、免許を保有しない教員に働き掛け、免許取得率の更なる向上を目指し、専門性の維持・向上を図りたい。

 

Ⅴ 業務改善

1 勤務時間の適正化
 具体的目標・・・業務の効率化や精選を行い、勤務時間を意識した働き方を実践し、時間外勤務月45時間以内の教員を着実に増加させる。
 評価・・・C
 目標の達成状況・・・時間外勤務月45時間以内の教員数は確実に増加し、教職員のワークライフバランスが一層向上した。時間の削減がワークエンゲージメントの低下を招かないように、研修や面談で丁寧に伝えた。
 次年度の改善方策・・・学級減に伴う教職員数の減少に対応するために、校務分掌の整理・統合を進めるなど、業務の効率化や学校行事の精選等に取り組み、ウエルビーングの向上に努めたい。

2 職場環境の整備
 具体的目標・・・職場環境の改善や管理職面談等を定期的に実施し、快適な職場環境づくりを推進する。
 評価・・・B
 目標の達成状況・・・管理職による面談を定期的に実施し、先生方とのコミュニケーションを密に図った。Co2モニターの設置や職員室のエアコンの更新など、快適な職場環境づくりに努めた。
 次年度の改善方策・・・今後も定期的な面談を確実に実施し、メンタルヘルス不調者の早期発見や職場環境の改善に努めたい。衛生委員会等で改善点を洗い出して精査し、良い意見については積極的に実行したい。

※ 評価は5段階(A:十分な成果があった B:かなりの成果があった C:一応の成果があった D:あまり成果がなかった E:成果がなかった)とする。

  

学校関係者評価報告書 評価実施日 令和6年2月7日(水)

 1 今年度の最終評価について

(1)生徒数の確保について
 教育相談を保護者等から受けた場合の対応を考え、教育相談を通した入学者数増加を検討してほしい。
 提言等に対する改善方策等・・・今年度は医療機関との連携を強化した結果、眼科医から本校の教育相談につながったケースがある。今後も他機関との連携を深め、早期からの教育相談の開始や県内の視覚障がい者の把握に努める。

(2)専門性の維持(点字指導等)について
 現在行われている点字指導等は非常に専門性が高いと感じる。この専門性が今後も維持・向上するよう取り組んでほしい。
 提言等に対する改善方策等・・・昨年度までは進学受験を目指すケースや、ブレイルメモ(電子機器によるデータでの読み書き)を主とする中学部・高等部の生徒への応用的な取組が中心であった。今年度から小学部に点字使用の児童が入学して初期指導を実践する機会を得たり、点字支援の必要な保護者への対応を行うケースが生じたりしたので、教職員の点字の更なるスキルが重要となっている。また、児童生徒、教職員の基礎的な点字の取組として、毎月の点字テストや毎週の朝点字を継続している。このような各教科・各課における点字の配付物等の作成は、点字支援委員会という委員会が支援している。今後も点字支援委員会が中心となり、本校の点字の取組を維持・推進していきたい。 

(3)教職員の連携について
 自己評価アンケートでは教職員の連携は向上しているが、他の項目に比較して低い結果となった。今後、さらなる対応が望まれる。
 提言等に対する改善方策等・・・今年度、2名の児童が小学部に入学及び転入学をしたことで小学部が再開され、既設の中学部及び高等部と連携して学校行事等に取り組むことが増え、結果としてアンケートの数値は昨年度よりも上昇した。これに満足することなく、チーム盲学校としてさらに連携を深め、お互いに学び合い、また、先輩方をモデルとする学校づくりを行い、充実に努めていきたい。

(4)盲学校のイメージ向上について
 盲学校に対して抱いかれているネガティブなイメージは以前に比べ、いろいろな取組を通して格段に向上していると感じている。今後も「いい学校づくり」に対する取り組みを続けてほしい。
 提言等に対する改善方策等・・・県内唯一の視覚支援学校として、本校が担う役割は大きい。今年度は、眼科医との連携、市町の関係機関や弱視学級への訪問、マスコミへの積極的な広報活動を行い、本校のセンター的機能の紹介に努めてきた。学校案内を一新する準備を進めており、今後も理解啓発活動を積極的に推進する。

R05_学校関係者評価表.pdf

R05_自己評価表.pdf