入学式 式辞 2023-04-12 [R05管理者]

 暖かい春の光を受けて、新緑の若葉がすくすくと伸びています。色とりどりの花々も今日の入学式をお祝いしてくれているようです。本日ここに、PTA会長 高橋理恵様の御臨席を賜り、令和5年度入学式を挙行できますことを、心より感謝いたします。
今日から松山盲学校の一年生となる5名の皆さん、御入学おめでとうございます。
 皆さんの入学を在校生はもとより、教職員一同、心から歓迎いたします。
 さて、皆さんは今、どんな気持ちでいますか?新しい学校生活への期待と同時に不安もあるのではないかと思います。でも、大丈夫です。みなさんには頼りになる先輩や優しい先生がいます。
本校創始者、森盲天外先生の教えに「一粒の米」というものがあります。
盲天外先生は、眼の病気にかかり、両方の目が見えなくなりました。ある日、ひざの上に落ちた一粒の米を指で触り、「はっ」と気が付きました。この米は、練れば練るほど粘くなり、強くなる。食べれば、栄養となり、姿を血や筋肉など様々に変えて、自分の価値を高めている。また、一粒の米を育てると、何年か後には大量の米となる。そして、人間に大きな幸せをもたらす。盲天外先生は、「一粒の米」を通して、希望を持って、明るくたくましく生きることの大切さを知ったのです。
 盲天外先生の句碑には、次のように書かれています。

 一 姿を変えていく「一粒の米」のように、私たちも今の自分に満足せず、向上の努力をしよう。
 二 「一粒の米」にはかくれた力があるように、私たちも自分の力を信じてたくましく生きよう。
 三 「一粒の米」が大切なように、自分や友だちの命、自然を大切にしよう。

 皆さん、この松山盲学校で、いろいろなことに前向きに挑戦して、たくましく成長し、色とりどりの花を咲かせてくださいね。
 最後になりましたが、新入生の保護者の皆様、本日はおめでとうございます。大切なお子様のために、私ども教職員一同、力を合わせてお子様の教育に全力で取り組みます。どうか本校の教育活動に対する御理解と御支援を賜りますよう、お願いを申し上げて、式辞といたします。

令和5年4月10日
 愛媛県立松山盲学校長 河野 美千代